この写真は私の幼少期の「感動体験」です。
ソニーのオープンリールテープレコーダーでゲラゲラと笑っている私の声が録音され、巻き戻すと、さっきの自分の笑い声が内蔵スピーカーから発せられる。これは一体なんだ?と大きな衝撃を受け、いまでも鮮明に覚えています。
このような「感動体験」をあらゆる子どもたちに届けたい。
そのような想いを抱いて「プロジェクト希望」を設立しました。
「プロジェクト希望」の活動を本格化させるなかで、私もブログを通じてこれから活動の中で感じたことや、日々の出来事について素直に書いてみようと思います。
思えば、小学校1年生の時からアメリカやカナダと日本を行ったり来たりの子ども時代。「なんでオレだけこんな目に」と、親への恨み節の1つや2つ言ったこともあったかもしれない。とはいえ、今となれば辛い経験も含め、全て自分の血となり肉となっていることを実感します。
両親のおかげで貴重な経験をさせてもらい、そのひとつひとつの「感動体験」が私の人生をユニークなものにしてくれました。しかし、経済的に困難な環境で育った子どもはどうでしょうか。静かに勉強する場所がない、学習塾に行けないなどの基礎学力を身につける「教育格差」は言うまでもなく深刻な問題ですが、家庭の所得格差が子どもの「体験格差」も同時に生んでしまうことも子どもの成長に多大なる影響を与えていると常々感じてきました。
そこで、数年前ビジネスの世界を卒業してまもなく、このプロジェクトを立ち上げ、子どもや教育という世界に“入学”しました。飢えなど命に関わる状態を示す「絶対的貧困」に対し、日本における貧困は、社会の中で「普通」のことができない「相対的貧困」が問題だと感じています。「相対的貧困」に苦しむ子どもたちは、家族で旅行に行ったり、美術館やコンサートに行ったりするなどの一般家庭ではごく当たり前の体験が乏しく、自己肯定感が生み出しづらい傾向にあります。
経済格差が子どもの教育や体験格差につながり、貧困の世代間連鎖が生まれています。私たちのプロジェクトでは、子どもたちに様々な感動体験を通じて仕事や遊びの楽しさを感じてもらい、将来の夢や希望を持つきっかけにつなげて欲しいと考えています。その旗振り役を、同じ志を持つ団体や個人、地域と共に担っていけたらと思っています。
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