月に一度、WBS「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京系)にコメンテーターとして出演する機会をいただきました。インタビューは社長時代にたくさん受けましたし、エンタテインメントの世界にいた頃はイベントの司会やコメンテーターとしてゲスト出演をする経験もしました。しかし、月に1度とはいえ、地上波生放送の経済ニュース番組に定期的に出演するのは初めてで、学べることも多く、大変面白い経験をさせてもらっています。
毎回、放送までの私の流れはこんな感じです。まず、出演前日にトピックについて連絡が入ります。編成の段階から関わりますので、出演当日の午後にオンラインで出演者の皆さんと内容確認を行い、さまざまな議論をします。キャスターの相内さん、豊島さんは勉強熱心で、打合せの段階からキレのある質問を投げてきますし、いろいろな提案もしてくれます。22時の生放送に合わせて19時半にはテレビ東京に入ります。それからもう一度打合せがあって、内容をチェックして本番に向かいます。プロセスはそれなりにあると想像していましたが、これを毎日行い、一つのニュース番組を作りあげていく皆さんの情熱に、改めて尊敬の念を抱きました。
ある日の生本番中にインドネシアで地震があって、コマーシャルの間に速報の原稿がキャスターに届きました。隣で見ていますと、すぐさまキャスターご自身で原稿を読み直し、表現のおかしなところを手で修正し、ライブになったところで焦ることもなく冷静に読まれている。速報が入るとその長さの分だけ番組の尺が足りなくなりますので、これもリアルタイムに調整しながらニュースを伝えていく。スタッフ一同が集中力を高めて、刻々と変化する状況に合わせて決断と調整を繰り返して進行していくのです。私も大なり小なりさまざまな決断を行ってきましたが、生番組の現場は即断即決の連続で、まさにプロフェッショナルの世界であることを痛感しました。
番組の最後に、ゲストとして私もコメントをします。しかし、尺が気になるうえに、話し出すと止まらない性分なので、どうしても早口になります。いつも早口なのにますます早くなる。最後に相内さんが「また明日」と言えるよう5秒前にお渡ししなければならず、それを考えるとさらに加速します。コメントなどは事前に考えていきますし、ポイントを絞り、構成も練ってあるのですが、リアルタイムでいかに柔軟に対応できるかを考えておかなければいけません。回を重ねるごとに慣れてくるかと思いますが、改めていろいろなことが勉強になっています。
それから、スタジオの向こう側には大変な数のスタッフがいます。カメラマンはもちろん、タイムキーパーの方、紙に書いて「CMの後、このコメントお願いします」と出すアシスタントディレクターの方など。それから、放送前にはメイクもあり、ヘアスタイルも整えてくれます。私はすべてお任せですが、その日によって違うヘアスタイリストが来るので髪型も色々変わってとても楽しいです。スーツもコーディネートしてもらいますが、カラーコーディネーションやパンツのカット、柄など自分が選ぶものとは驚くほど異なり、とても新鮮です。スタイリストの方が男性ファッション誌の担当もされているので、最近のファッションをよくご存じなんですよね。こういった点でも参考になることが多くあります。
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