体験がひらく、新しい景色
- 3 日前
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Project KIBOでは、「子どもたちに“感動体験”を届けること」を大切にしています。実際に見て、感じて、心が動く経験こそが、将来の選択肢や視野を広げるきっかけになると考えているからです。
そうした考えのもと、2026年2月から3月にかけて二つの体験型プログラムを実施しました。一つはアルバルク東京のホームゲーム観戦、もう一つは山形蔵王でのスキー体験(二泊三日)です。どちらもスポーツを軸にしながら、子どもたちが「日常とは違う世界」に触れる機会となりました。
音と光と一体感――アルバルク東京観戦体験
アルバルク東京が所属する国内男子プロバスケットボール「Bリーグ」の試合は、音楽や照明、演出が一体となったエンタテインメント空間になっています。試合中はもちろん、タイムアウトやハーフタイムに至るまで、観客を惹きつける工夫が随所に見られ、私にとっても新鮮な体験でした。
会場には、初めてプロスポーツのアリーナに足を踏み入れた子どもたちの姿がありました。大きな音に驚く子もいれば、周囲の熱気に引き込まれ、次第に声援を送るようになる子もいました。目の前で繰り広げられるスピード感あふれるプレーや、シューズが床をこする音、ボールの弾む音。テレビでは味わえない臨場感が、確かにそこにありました。
印象的だったのは、「観ている側もチームの一員になったような感覚」です。会場全体が同じ方向を向き、同じタイミングで喜び、悔しがる。その一体感は、子どもたちにとって大きな刺激になったと思います。
また、選手だけでなく、チアリーダーや運営スタッフなど、試合を支える多くの人の存在が見えることも、この体験の大切な要素でした。
雪と対話の3日間――山形蔵王スキー体験

3月には、沖縄から子どもたちを招き、山形県にある蔵王温泉スキー場でのスキー体験を実施しました。雪を見ること自体が初めてという子も多く、飛行機や新幹線を乗り継ぐ移動も含め、さまざまな経験の連続でした。
今回のプログラムは、スキーだけを目的としたものではありません。事前に「わたしの異見」というテーマで作文を書いてもらい、その内容をもとに座談会を行いました。学校生活への違和感や社会への疑問、人間関係の悩みなど、子どもたちが自分の言葉で綴った率直な思いを共有する時間です。座談会では、「正解を出すこと」ではなく、「異見を持つこと自体を肯定すること」を大切にしました。人数を絞ったことで、一人ひとりの声に丁寧に向き合うことができたように感じます。
初日の夜には、沖縄と山形の子どもたちが交流する時間が設けられました。蔵王の中学生2名が地元の魅力をプレゼンし、小・中学生たちは手作りの缶バッジが当たるガチャガチャを用意してくれていました。
山寺の中学生は、インフルエンザで参加できなくなった仲間を代表して一人で参加し、山寺を紹介するとともに、山寺を題材とした自作のクロスワードパズルをプレゼントしてくれました。
一方、沖縄の子どもたちも自分たちで用意した缶バッジを手渡して、会話のきっかけをつくっていました。
沖縄と山形の子どもたちが同じ食卓を囲み、学校生活や地域、方言の違いなどについて会話を楽しみながら距離が縮まり、スキーという体験と重なってより立体的な時間になったと思います。
体験が残すもの、そしてこれから
教育格差という言葉は以前から語られてきましたが、最近では「体験の格差」にも注目が集まっています。行ったことがある、見たことがある、体験したことがある。そうした記憶は、将来を考えるときの引き出しになります。今回の二つの取り組みが、子どもたちの中に小さくても確かな引き出しを残してくれたなら、これほど嬉しいことはありません。
これらの活動は、多くの企業や地域の方々のご協力なしには成り立ちませんでした。子どもたちの体験を「大事だ」と考え、力を貸してくださる方々が少しずつ増えていることを、心強く感じています。Project KIBOでは、スポーツをはじめとするさまざまな分野で、子どもたちに体験の機会を届けていきたいと考えています。現場に足を運び、直接顔を合わせ、同じ空気を感じる。その積み重ねを、これからも大切にしていきます。
今回の取り組みは、アルバルク東京の皆さま、山形蔵王での滞在・体験を温かく支えてくださった高見屋グループをはじめとする地域の皆さま、そして日頃から子どもたちに寄り添い続けている各支援団体の皆さまのご協力があって実現しました。
改めて、心より感謝申し上げます。





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